
ラブブとは?ラブブ(Labubu)の歴史や魅力、世界中で愛されている理由など
独特の表情とユニークなフォルムで世界中のファンを魅了する「ラブブ(Labubu)」。香港発のアートトイブランド「How2Work」と、デザイナーKasing Lung(カシン・ルン)が生み出したキャラクターで、悪戯っぽい笑顔とどこか不思議な世界観が特徴です。誕生以来、数量限定のフィギュアやコラボ商品が次々と登場し、コレクターズアイテムとしても高い人気を誇ります。この記事では、ラブブの誕生秘話やデザインの魅力、そしてなぜ世界中で愛され続けているのか、その理由を詳しく紹介します。
2025年10月17日更新
目次
ラブブ(Labubu)とは?その独特な魅力

出典;yahoo!ショッピング
ラブブは、尖った耳と毛むくじゃらの頭、特徴的な笑顔を持つ小さなモンスターのようなキャラクターです。香港のアーティストKasing Lung(カシン・ルン)氏が生み出したこの不思議な存在は、一見すると不気味にも見えますが、見る人によって印象が大きく異なります。可愛さと不思議さを兼ね備えたそのデザインは、現代の「かわいい×不安定さ」という美学を体現しています。もともとはKasing Lung氏のイラスト作品に登場していたラブブは、アートトイとして注目を集めた後、POP MARTとの提携により商業的に大きく展開されるようになりました。その中性的で神秘的なビジュアルは、従来のキャラクターとは一線を画し、Z世代を中心に世界中で支持を集めています。
ラブブ(Labubu)の歴史

出典;POP MART
2013年:アートギャラリーからの出発
ラブブの物語は、2013年頃にKasing Lung氏の個展や絵本に登場するアート作品として始まりました。彼の幼少期の孤独や空想から着想を得て生まれた「少し不気味で、でも愛らしいモンスター」は、当初はアートコレクターを中心に静かな支持を集めていました。この時期のラブブは、まだ商業的な大量生産とは無縁の、純粋なアート表現としての側面が強い存在でした。しかし、その独特な世界観とキャラクター性は、すでに多くのアートファンの心を掴んでおり、後の商業的成功の礎となる魅力を備えていました。アートギャラリーという限られた空間から始まったラブブは、やがて世界中のファンを魅了する存在へと成長していくことになります。
2018年:POP MARTとのコラボで大ブレイク
2018年、ラブブの運命を大きく変える出来事が起こります。中国最大のトイメーカーであるPOP MARTとのコラボレーションにより、ラブブはブラインドボックス(盲盒)フィギュアとして大衆市場へと進出しました。この提携により、それまでアートコレクターの間で知られていたニッチなキャラクターが、一般消費者にも手の届く商品として展開されることになります。POP MARTの持つマーケティング力と流通網、そしてブラインドボックスという革新的な販売方式が組み合わさることで、ラブブの人気は爆発的に拡大しました。中国市場を中心に瞬く間に話題となり、SNSでの拡散も相まって、ラブブは一大ムーブメントへと成長していきました。
シリーズの多様化とグローバル化
POP MARTとのコラボ以降、ラブブは様々なテーマや季節に合わせた多彩なシリーズ展開を見せています。「フォレストラブブ」「バイキングラブブ」「ハロウィンラブブ」など、多様なバリエーションが次々と登場し、コレクターの収集欲を刺激し続けています。さらに、POP MARTのグローバル展開戦略により、中国市場での成功を基盤に、日本、韓国、東南アジア、そして欧米へと市場を拡大していきました。各地域の文化や嗜好に合わせた限定商品や、ディズニーやHello Kittyなどの人気ブランドとのコラボレーションも実現し、ラブブは単なるキャラクターを超えた文化現象として世界中で認知されるようになりました。
ラブブ(Labubu)のビジネスモデルは?

出典;POP MART
IP戦略
ラブブのIP戦略は、アーティストの創造性を保ちながら商業的成功を実現した模範例です。Kasing Lung氏の個人作品としてスタートしたラブブは、POP MARTのサポートにより、強力なブランドIPへと成長しました。重要なのは、大量生産と商業展開を行いながらも、キャラクターの持つ独特な世界観やアート性を損なわないバランス感覚です。POP MARTは単なる製造販売だけでなく、ラブブというキャラクターの物語性や背景を丁寧に伝えることで、ファンとの深い結びつきを構築しています。この戦略により、ラブブは単なる商品ではなく、ファンが感情移入できる「生きたキャラクター」として認識され、長期的なブランド価値の向上に成功しています。
ブラインドボックス方式
ブラインドボックス方式は、ラブブの人気を支える最も重要な販売戦略の一つです。購入者が箱を開けるまで中身がわからないこの方式は、開封時のワクワク感と、何が当たるかわからない偶然性が大きな魅力となっています。特にシークレット(レア)アイテムの存在が、コレクターの収集欲を強く刺激し、再購入を促す画期的な手法として機能しています。この方式により、ユーザーは単に商品を購入するのではなく、「開封体験」という特別な時間を楽しむことができます。さらに、SNSでの開封動画の共有が新たなファンを呼び込む好循環を生み出し、ブラインドボックス方式は単なる販売手法を超えた、コミュニティ形成のツールとしても機能しています。
限定商品とコラボ戦略
ラブブの人気を加速させる要因の一つが、巧妙に計画された限定商品とコラボ戦略です。都市限定、イベント限定、季節限定など、様々な形で希少性を演出することで、ファンの購買意欲を高めています。さらに注目すべきは、ディズニーやHello Kittyといった世界的に認知されたブランドとのコラボレーションです。これにより、ラブブは単独では到達できなかった新しい顧客層にもリーチすることに成功しています。限定商品は発売と同時に完売することも多く、入手困難性がさらなる話題性を生み出しています。この戦略は、ブランド価値の維持と向上に貢献するとともに、二次市場での取引価格の上昇にもつながり、投資対象としての側面も持つようになっています。
コミュニティと二次市場
ラブブの成功は、強固なコミュニティと活発な二次市場の存在によって支えられています。X(旧Twitter)、Instagram、TikTok、中国のrednoteなどのSNSでは、「開封動画」「ラブブコレクション紹介」「交換希望」といった投稿が日々多数シェアされ、ファン同士の交流が盛んに行われています。これらの活動はブランドの認知度向上に大きく貢献しています。さらに、メルカリ、ヤフオク、海外のオークションサイトなどでは、レアアイテムが定価の数倍で取引されることも珍しくありません。この活発な二次市場は、ラブブが単なる玩具ではなく、収集価値のある文化的アイテムとして認識されていることを示しています。コミュニティと二次市場の相互作用が、ラブブの持続的な人気を支えています。
ラブブ(Labubu)を手に入れるには?

出典;POP MART
ラブブのフィギュアを入手する方法は複数ありますが、最も手軽で安心なのは公式オンラインストアやAmazonでの購入です。POP MARTの正規品を取り扱う販売店では、ブラインドボックス形式での購入が一般的です。また、一部の専門店やポップアップイベント、アニメショップなどでも取り扱いがあります。日本国内でも徐々に取扱店が増えており、都市部の大型雑貨店やキャラクターショップで見かける機会が増えています。ただし、人気商品のため在庫状況は常に変動しており、特に限定品やコラボ商品は発売と同時に完売することも少なくありません。確実に入手したい場合は、公式SNSアカウントをフォローして発売情報をチェックすることをお勧めします。また、購入の際は正規品であることを確認することが重要です。
ラブブ(Labubu)が世界中で愛されている理由

出典;POP MART
ラブブが世界中で愛される理由は、単なる「かわいいフィギュア」の枠を超えた多層的な魅力にあります。まず、Kasing Lung氏の幼少期の孤独や空想から生まれた背景には、現代人が共感できる普遍的な感情が込められています。「少し不気味で、でも愛らしい」という独特のデザインは、従来の「かわいい」という概念を覆し、新しい美学を提示しています。さらに、TikTokやInstagramなどのSNSでの拡散により、Z世代を中心に瞬く間に広がりました。海外セレブやインフルエンサーの投稿も話題を加速させ、ファッションアイテムとしても注目されています。ブラインドボックスの開封体験、コレクション性、コミュニティでの交流など、複合的な要素がファンの心を掴んで離さない理由となっています。
最後に
ラブブは、アート性・キャラクターデザイン・ビジネス戦略のすべてが融合した、現代のポップカルチャーを象徴する存在です。その背後には、アーティストKasing Lung氏の情熱、POP MARTの企画力、そして世界中のファンの愛情があります。単なる玩具やフィギュアではなく、アートとしての価値、コレクションとしての楽しみ、コミュニティでの交流という多面的な体験を提供しているからこそ、ラブブは多くの人々に支持され続けています。今後はグローバル市場への更なる進出、アニメ化やゲーム化などのメディア展開、NFTやAR技術との融合など、様々な可能性が期待されています。ラブブのこれからの物語は、キャラクタービジネスの新しい地平を切り開くものとなるでしょう。ぜひその展開に注目してください。














