近年、世界中のコレクターたちを虜にしている人気フィギュア「ラブブ（Labubu）」。その愛らしい姿からは想像できませんが、「実は呪いの人形では？」という都市伝説めいた噂がSNSを中心に広がっています。なぜラブブがそんな不思議な存在として語られるようになったのか。その背景には、独特のデザインやストーリー性、入手困難さが生み出す“神秘性”があります。本記事では、そんなラブブをめぐる噂の真相と、世界中を魅了する理由について詳しく紹介します。
ラブブとは？
出典；楽天市場
ラブブ(LABUBU)は、香港のアーティストKasing Lung氏によって生み出されたキャラクターです。2015年にデビューしたこのキャラクターは、Pop Martという中国のトイブランドから発売され、世界中のコレクターから注目を集めています。特徴的な尖った耳と鋭い歯、そしてつぶらな瞳を持つラブブは、一見すると可愛らしくも不気味な独特の雰囲気を醸し出しています。現在では様々なサイズやコスチュームバリエーションで展開されており、SNSを中心に爆発的な人気を誇るトレンドキャラクターとなっています。日本でも若者を中心にコレクターが急増中で、入手困難な商品も多数存在します。
ラブブがなぜ「呪いの人形」と呼ばれているのか？
出典；楽天市場
ラブブが「呪いの人形」と呼ばれる理由は、そのデザインと販売方式、そしてSNS上で広まった都市伝説が複合的に絡み合っています。一度手に入れると次々と新しいラブブが欲しくなる中毒性の高さから、コレクターたちは半ば冗談、半ば本気で「呪われた」と表現するようになりました。また、不気味な外見と相まって、購入後に不思議な出来事が起きたという体験談がSNSで拡散されたことも、この呼び名が定着した要因となっています。実際には呪いではなく、キャラクターの持つ独特の魅力とマーケティング戦略が見事に機能した結果と言えるでしょう。
不気味かわいいデザイン
ラブブの最大の特徴は「不気味かわいい」という相反する要素が共存するデザインにあります。大きな瞳は愛らしさを感じさせる一方で、鋭く尖った歯と長い耳は少し不安を煽る要素として機能しています。この絶妙なバランスが、見る人に強烈な印象を与え、一度見たら忘れられない存在感を生み出しています。カラーバリエーションも豊富で、パステルカラーから暗めのトーンまで幅広く展開されており、それぞれが異なる雰囲気を醸し出します。このデザインの二面性が、「天使のような悪魔」「可愛い怪物」といった矛盾した感情を呼び起こし、コレクターの心を掴んで離さない理由となっています。
SNSで広まった都市伝説
TikTokやInstagramを中心に、ラブブにまつわる様々な都市伝説がバイラル拡散されました。「夜中にラブブの位置が変わっていた」「ラブブを買ってから運気が変わった」「ラブブの目が光った」といった投稿が相次ぎ、話題性が一気に高まりました。これらの投稿の多くはエンターテインメント目的で作られたものですが、ラブブの不気味な見た目が都市伝説と非常に相性が良く、視聴者の興味を強く引きつけました。さらに、インフルエンサーたちがこの話題を取り上げたことで、「呪いの人形」というキャッチーな呼び名が急速に定着していきました。結果的にこの都市伝説がラブブの認知度向上に大きく貢献しています。
ブラインドボックス方式で経済的に呪われる？
ラブブの多くはブラインドボックス(シークレット)方式で販売されており、箱を開けるまでどのデザインが入っているか分かりません。この販売方式が「経済的な呪い」と呼ばれる所以です。コレクターは欲しいデザインを手に入れるために何度も購入を繰り返し、気づけば予想以上の出費をしてしまうケースが続出しています。レアデザインの排出確率が低く設定されているため、コンプリート欲求が強く刺激されるのです。さらに二次市場ではプレミア価格で取引されることも多く、「一体だけのつもりが財布が空になるまで止められない」という声が後を絶ちません。この中毒性の高い販売戦略が、まさに「呪い」と表現される理由となっています。
ラブブ作者が描くダークな世界観
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ラブブの生みの親であるKasing Lung氏は、The Monstersという独自の世界観を構築しています。この世界では、ラブブを含む様々なキャラクターたちが暗くてミステリアスな物語の中に存在しています。Kasing Lung氏のアート作品には、孤独、不安、社会への違和感といった現代人が抱える心の闇が反映されており、単なる可愛いキャラクターグッズの枠を超えた深いメッセージ性を持っています。ラブブの鋭い歯や不安定な表情は、こうした作者の哲学的な世界観の表現なのです。この背景を知ることで、ラブ
実際にラブブの呪いはあるの？
出典；楽天市場
結論から言えば、ラブブに実際の超常的な呪いがあるという科学的根拠は一切ありません。SNS上で語られる不思議な体験談の多くは、偶然の一致や心理的な思い込み、そして話題性を狙った創作である可能性が高いでしょう。人間の脳は意味のないパターンにも意味を見出す傾向(パレイドリア現象)があり、ラブブの不気味な外見がこうした認知バイアスを引き起こしやすいのです。ただし、「呪い」という表現はコレクターたちがラブブの強烈な魅力と購買意欲を刺激する力をユーモラスに言い換えたものと捉えるべきです。むしろ注意すべきは、過度なコレクション熱による経済的な負担の方でしょう。
ラブブは呪いではなく中毒性のある魅力が原因！？
ラブブが「呪い」と呼ばれる真の理由は、その計算された魅力とマーケティング戦略にあります。不気味かわいいデザインは脳の報酬系を刺激し、コレクション欲求を強く喚起します。ブラインドボックス方式はギャンブル性を持ち、ドーパミンの分泌を促進するため、次々と購入したくなる心理状態を作り出します。さらにSNSでの共有文化により、レアアイテムを手に入れた達成感が社会的承認欲求を満たすという多層的な満足感が得られるのです。これらの要素が複合的に作用することで、理性では止められない強い中毒性が生まれます。つまりラブブの「呪い」とは、現代のマーケティング心理学が生み出した巧妙な魅力の結晶と言えるでしょう。
最後に
ラブブが「呪いの人形」と呼ばれる現象は、現代のポップカルチャーとSNS文化が生み出した興味深い事例です。実際の超常現象ではなく、独特のデザイン、巧みな販売戦略、そしてバイラルマーケティングが融合した結果と理解すべきでしょう。ラブブを楽しむ際は、この「呪い」をポジティブに捉え、自分の予算と相談しながら健全にコレクションを楽しむことが大切です。不気味かわいい魅力を持つラブブは、アート作品としても、コレクションアイテムとしても高い価値を持っています。適度な距離感を保ちながら、このユニークなキャラクターの世界観を存分に楽しんでください。ラブブの魅力に「呪われる」のも悪くないかもしれませんね。
